Guide · シンガポール進出

シンガポール進出支援会社の選び方|法人設立・就労ビザ・会計まで9つの確認点と費用目安【2026年9月】

· Synapse Arrows(シンガポール法人)/監修:山口路恵/公式情報の確認日:2026年9月30日

シンガポールに進出するとき、最初に頼む相手が「進出支援会社」です。ただ、法人設立の登記、名義取締役、就労ビザ、会計・税務、その先の市場開拓まで、どこまでを誰がやるのかは会社ごとに違います。このガイドは、シンガポールに拠点を置く当社が、政府機関の公式情報と各社の公開料金をもとに、選ぶときの9つの確認点をまとめたものです。

利益相反の開示:Synapse Arrowsはシンガポール法人で、日本企業向けに市場調査・パートナー開拓・AI/デジタル面の支援を有料で提供しています。このガイドでは特定の会社を推奨せず、確認の仕方を示します。法人の登記や会計・税務申告は、ACRAの登録事業者(CSP)や会計事務所に依頼する領域です。

選ぶときの9つの確認点
  1. ACRAに登録された事業者(CSP)か
  2. 現地居住の取締役をどう用意するか
  3. カンパニーセクレタリーと登記住所が含まれるか
  4. 就労ビザの要件を正しく説明できるか
  5. 料金に何が含まれ、何が別か
  6. 設立した後の義務まで見てくれるか
  7. 税務の基本を数字で説明できるか
  8. 日本語で対応する範囲
  9. 設立の先を誰がやるか

選ぶときの9つの確認点

1. ACRAに登録された事業者(CSP)か

シンガポールでは、外国人が会社を登記するとき、登録事業者(Corporate Service Provider)を通す必要があります。ACRAは「外国人は社名の予約と登記のためにCSPを使わなければならない」と明記しています。進出支援を名乗る会社が自社で登記できるのか、提携先に任せるのかを最初に確認します。

確認の仕方「御社はACRAの登録CSPですか。登記はどの会社が行いますか」と聞く。

2. 現地居住の取締役をどう用意するか

会社には、シンガポールに通常居住する取締役が最低1名必要です(市民・永住者のほか、就労パスの保持者など)。日本から進出する会社の多くは、最初は名義取締役(ノミニー)を使います。ノミニーの年額、保証金の有無、いつ自社の人に切り替えるかを確認します。

確認の仕方ノミニーの年額と保証金、切り替えの条件を見積もりに書いてもらう。

3. カンパニーセクレタリーと登記住所が含まれるか

カンパニーセクレタリーは、設立から6か月以内に選任する義務があります(単独取締役と同一人物は不可)。登記住所もシンガポール国内に必要です。設立パッケージにこの2つが含まれるか、何か月分かを確認します。

確認の仕方セクレタリーと登記住所の年額、初年度に含まれる月数を確認する。

4. 就労ビザの要件を正しく説明できるか

Employment Pass(EP)の最低月給は現在S$5,600(金融はS$6,200)で、2027年1月1日の新規申請からS$6,000(金融はS$6,600)に上がります。年齢が上がると基準額も上がります。給与基準に加えて、COMPASSという点数制(40点で合格)も満たす必要があります。「取れます」と言い切る会社より、基準と見込みを具体的に説明する会社が安全です。

確認の仕方赴任予定者の年齢・給与・学歴を伝えて、COMPASSの見込み点数を出してもらう。

5. 料金に何が含まれ、何が別か

公開されている料金は、政府手数料込みか別か、ノミニーが何か月分か、保証金があるか、GST込みかで大きく変わります。公的手数料そのものは社名申請S$15・登記S$300です。総額の差は、ほぼ民間のサービス料です。

確認の仕方見積もりを「政府手数料/設立/ノミニー/セクレタリー/住所/会計・税務/ビザ」に分けてもらう。

6. 設立した後の義務まで見てくれるか

設立は入口です。非上場会社は、決算後6か月以内の株主総会(条件により免除あり)と、決算後7か月以内の年次申告(手数料S$60)が毎年必要です。法人税の申告もあります。設立だけの会社か、2年目以降の運営まで任せられるかを確認します。

確認の仕方2年目の年間費用(セクレタリー・住所・決算・税務・年次申告)の総額を聞く。

7. 税務の基本を数字で説明できるか

法人税率は17%です。新設法人には、最初の3賦課年度、課税所得の最初のS$10万の75%・次のS$10万の50%を免税にする制度があります(適用には条件があります)。GSTの登録義務は課税売上がS$100万を超える場合で、税率は9%です。この程度の数字を、条件つきで即答できるかを見ます。

確認の仕方自社の売上見込みを伝えて、1年目の税とGST登録の要否を説明してもらう。

8. 日本語で対応する範囲

「日本語対応」の中身は会社ごとに違います。担当者が日本人か、契約書や決算書の説明が日本語か、日本の本社への報告書を作れるかを確認します。当社が公式サイトで確認した範囲でも、「必ず日本人が担当」と明記する会社と、日本語サイトがあるだけの会社がありました。

確認の仕方日常の連絡・書類の説明・本社向け報告のそれぞれが日本語かを聞く。

9. 設立の先を誰がやるか

法人ができても、売上は立ちません。市場調査、販売パートナーの開拓、採用、現地でのマーケティング、AIやデジタルの整備は、登記や会計とは別の仕事です。設立の会社がそこまでやるのか、別の会社と組むのかを、最初に分けて考えます。

確認の仕方「設立後の最初の6か月で、売上のために何を支援してくれますか」と聞く。

費用の目安(公式ページの記載・2026年9月30日確認)

公的な手数料(ACRA)

項目金額出典
社名の申請S$15ACRA 手数料表
設立登記S$300
年次申告S$60

民間の公開料金の例

条件(政府手数料・ノミニーの期間・保証金・GST)が会社ごとに違うため、そのまま横に比べることはできません。各社の条件を併記します。

会社公開されている料金条件
Sleek外国人向け設立 SG$2,600〜/SG$4,000政府手数料S$375込み。ノミニーが3か月分/12か月分
3E Accounting設立 $109、ノミニー $2,180/年、セクレタリー $327〜/年、登記住所 $327/年、税務申告 $327〜/年、EP申請 $1,090/件GST込みの表示
NICOICHI(日系)法人設立 S$1,000、会社秘書役 S$1,200/年、現地取締役名義貸し S$2,400/年、決算・税務申告 S$1,500/年、就労ビザ申請 S$500/人。基本パック S$5,400〜/年税の扱いは記載なし
ATHLEE(日系)現地運営支援 約SGD 500/月〜(Light)、約SGD 2,500/月(Basic)設立代行ではなく運営支援の月額。税別

料金を公開していない会社も多くあります。日本語で相談できる会社の一覧は、シンガポール進出支援会社12社|日本語で相談できる会社を目的別に整理にまとめています。

無料で相談できる公的な窓口

進め方

  1. 公的窓口で全体像を聞く(無料)。
  2. 設立・会計の会社を2〜3社比べる。上の9つの確認点と、内訳つきの見積もりで。
  3. 設立の先(市場・販路・採用・デジタル)を別に計画する。設立の会社に任せる範囲と、別に頼む範囲を分ける。

よくある質問

シンガポールの会社設立にはいくらかかりますか?

公的な手数料は、社名の申請がS$15、設立登記がS$300です(ACRA)。民間のサービス料は条件で変わり、公開されている例では、外国人向けの設立パッケージがSG$2,600〜(Sleek・ノミニー3か月と政府手数料込み)、日系ではNICOICHIが法人設立S$1,000・基本パックS$5,400〜/年としています(いずれも2026年9月30日確認)。

現地に住んでいる取締役が必要ですか?

必要です。シンガポールに通常居住する取締役が最低1名要ります。日本から進出する場合、最初は名義取締役(ノミニー)のサービスを使う会社が多く、公開されている年額の例はS$2,180〜S$2,400です。

就労ビザ(EP)の給与基準はいくらですか?

2026年9月時点でS$5,600(金融はS$6,200)で、年齢とともに上がります。2027年1月1日の新規申請からS$6,000(金融はS$6,600)に引き上げられます。給与に加えて、COMPASSで40点以上が必要です(MOM)。

法人税とGSTはどうなっていますか?

法人税率は17%で、新設法人には最初の3賦課年度の免税制度があります。GSTの税率は9%で、課税売上がS$100万を超えると登録が必要です(IRAS)。

設立の会社とは別に、何を頼む必要がありますか?

市場調査、販売パートナーの開拓、採用、現地向けのマーケティングやAI・デジタルの整備は、登記や会計とは別の仕事です。設立の会社が扱わない場合は、別の会社に頼むか、自社で行います。

設立の先の相談

市場調査、パートナー開拓、現地向けのAI・デジタルの整備、AIに推薦されるための情報設計は、当社が日本語で対応します。

海外進出について相談する → 日本語で相談できるシンガポールのAI開発会社12社 →

このガイドの数字は、各機関・各社の公式ページを2026年9月30日に確認したものです。制度や料金は変わることがあります。最新の内容は出典のページでご確認ください。記載に誤りがあればお問い合わせからお知らせください。社名・サービス名は各社の商標または登録商標で、掲載は提携・後援・承認を示すものではありません。