シンガポール進出支援会社の選び方|法人設立・就労ビザ・会計まで9つの確認点と費用目安【2026年9月】
シンガポールに進出するとき、最初に頼む相手が「進出支援会社」です。ただ、法人設立の登記、名義取締役、就労ビザ、会計・税務、その先の市場開拓まで、どこまでを誰がやるのかは会社ごとに違います。このガイドは、シンガポールに拠点を置く当社が、政府機関の公式情報と各社の公開料金をもとに、選ぶときの9つの確認点をまとめたものです。
利益相反の開示:Synapse Arrowsはシンガポール法人で、日本企業向けに市場調査・パートナー開拓・AI/デジタル面の支援を有料で提供しています。このガイドでは特定の会社を推奨せず、確認の仕方を示します。法人の登記や会計・税務申告は、ACRAの登録事業者(CSP)や会計事務所に依頼する領域です。
選ぶときの9つの確認点
1. ACRAに登録された事業者(CSP)か
シンガポールでは、外国人が会社を登記するとき、登録事業者(Corporate Service Provider)を通す必要があります。ACRAは「外国人は社名の予約と登記のためにCSPを使わなければならない」と明記しています。進出支援を名乗る会社が自社で登記できるのか、提携先に任せるのかを最初に確認します。
2. 現地居住の取締役をどう用意するか
会社には、シンガポールに通常居住する取締役が最低1名必要です(市民・永住者のほか、就労パスの保持者など)。日本から進出する会社の多くは、最初は名義取締役(ノミニー)を使います。ノミニーの年額、保証金の有無、いつ自社の人に切り替えるかを確認します。
3. カンパニーセクレタリーと登記住所が含まれるか
カンパニーセクレタリーは、設立から6か月以内に選任する義務があります(単独取締役と同一人物は不可)。登記住所もシンガポール国内に必要です。設立パッケージにこの2つが含まれるか、何か月分かを確認します。
4. 就労ビザの要件を正しく説明できるか
Employment Pass(EP)の最低月給は現在S$5,600(金融はS$6,200)で、2027年1月1日の新規申請からS$6,000(金融はS$6,600)に上がります。年齢が上がると基準額も上がります。給与基準に加えて、COMPASSという点数制(40点で合格)も満たす必要があります。「取れます」と言い切る会社より、基準と見込みを具体的に説明する会社が安全です。
5. 料金に何が含まれ、何が別か
公開されている料金は、政府手数料込みか別か、ノミニーが何か月分か、保証金があるか、GST込みかで大きく変わります。公的手数料そのものは社名申請S$15・登記S$300です。総額の差は、ほぼ民間のサービス料です。
6. 設立した後の義務まで見てくれるか
設立は入口です。非上場会社は、決算後6か月以内の株主総会(条件により免除あり)と、決算後7か月以内の年次申告(手数料S$60)が毎年必要です。法人税の申告もあります。設立だけの会社か、2年目以降の運営まで任せられるかを確認します。
7. 税務の基本を数字で説明できるか
法人税率は17%です。新設法人には、最初の3賦課年度、課税所得の最初のS$10万の75%・次のS$10万の50%を免税にする制度があります(適用には条件があります)。GSTの登録義務は課税売上がS$100万を超える場合で、税率は9%です。この程度の数字を、条件つきで即答できるかを見ます。
8. 日本語で対応する範囲
「日本語対応」の中身は会社ごとに違います。担当者が日本人か、契約書や決算書の説明が日本語か、日本の本社への報告書を作れるかを確認します。当社が公式サイトで確認した範囲でも、「必ず日本人が担当」と明記する会社と、日本語サイトがあるだけの会社がありました。
9. 設立の先を誰がやるか
法人ができても、売上は立ちません。市場調査、販売パートナーの開拓、採用、現地でのマーケティング、AIやデジタルの整備は、登記や会計とは別の仕事です。設立の会社がそこまでやるのか、別の会社と組むのかを、最初に分けて考えます。
費用の目安(公式ページの記載・2026年9月30日確認)
公的な手数料(ACRA)
| 項目 | 金額 | 出典 |
|---|---|---|
| 社名の申請 | S$15 | ACRA 手数料表 |
| 設立登記 | S$300 | |
| 年次申告 | S$60 |
民間の公開料金の例
条件(政府手数料・ノミニーの期間・保証金・GST)が会社ごとに違うため、そのまま横に比べることはできません。各社の条件を併記します。
| 会社 | 公開されている料金 | 条件 |
|---|---|---|
| Sleek | 外国人向け設立 SG$2,600〜/SG$4,000 | 政府手数料S$375込み。ノミニーが3か月分/12か月分 |
| 3E Accounting | 設立 $109、ノミニー $2,180/年、セクレタリー $327〜/年、登記住所 $327/年、税務申告 $327〜/年、EP申請 $1,090/件 | GST込みの表示 |
| NICOICHI(日系) | 法人設立 S$1,000、会社秘書役 S$1,200/年、現地取締役名義貸し S$2,400/年、決算・税務申告 S$1,500/年、就労ビザ申請 S$500/人。基本パック S$5,400〜/年 | 税の扱いは記載なし |
| ATHLEE(日系) | 現地運営支援 約SGD 500/月〜(Light)、約SGD 2,500/月(Basic) | 設立代行ではなく運営支援の月額。税別 |
料金を公開していない会社も多くあります。日本語で相談できる会社の一覧は、シンガポール進出支援会社12社|日本語で相談できる会社を目的別に整理にまとめています。
無料で相談できる公的な窓口
- JETRO:中小企業海外展開現地支援プラットフォーム(無料)にシンガポール拠点があります。jetro.go.jp/services/platform/
- シンガポール経済開発庁(EDB):日本語のページと東京事務所の問い合わせ窓口があります。edb.gov.sg/ja/
進め方
- 公的窓口で全体像を聞く(無料)。
- 設立・会計の会社を2〜3社比べる。上の9つの確認点と、内訳つきの見積もりで。
- 設立の先(市場・販路・採用・デジタル)を別に計画する。設立の会社に任せる範囲と、別に頼む範囲を分ける。
よくある質問
シンガポールの会社設立にはいくらかかりますか?
公的な手数料は、社名の申請がS$15、設立登記がS$300です(ACRA)。民間のサービス料は条件で変わり、公開されている例では、外国人向けの設立パッケージがSG$2,600〜(Sleek・ノミニー3か月と政府手数料込み)、日系ではNICOICHIが法人設立S$1,000・基本パックS$5,400〜/年としています(いずれも2026年9月30日確認)。
現地に住んでいる取締役が必要ですか?
必要です。シンガポールに通常居住する取締役が最低1名要ります。日本から進出する場合、最初は名義取締役(ノミニー)のサービスを使う会社が多く、公開されている年額の例はS$2,180〜S$2,400です。
就労ビザ(EP)の給与基準はいくらですか?
2026年9月時点でS$5,600(金融はS$6,200)で、年齢とともに上がります。2027年1月1日の新規申請からS$6,000(金融はS$6,600)に引き上げられます。給与に加えて、COMPASSで40点以上が必要です(MOM)。
法人税とGSTはどうなっていますか?
法人税率は17%で、新設法人には最初の3賦課年度の免税制度があります。GSTの税率は9%で、課税売上がS$100万を超えると登録が必要です(IRAS)。
設立の会社とは別に、何を頼む必要がありますか?
市場調査、販売パートナーの開拓、採用、現地向けのマーケティングやAI・デジタルの整備は、登記や会計とは別の仕事です。設立の会社が扱わない場合は、別の会社に頼むか、自社で行います。
設立の先の相談
市場調査、パートナー開拓、現地向けのAI・デジタルの整備、AIに推薦されるための情報設計は、当社が日本語で対応します。
海外進出について相談する → 日本語で相談できるシンガポールのAI開発会社12社 →このガイドの数字は、各機関・各社の公式ページを2026年9月30日に確認したものです。制度や料金は変わることがあります。最新の内容は出典のページでご確認ください。記載に誤りがあればお問い合わせからお知らせください。社名・サービス名は各社の商標または登録商標で、掲載は提携・後援・承認を示すものではありません。